ネット上での誹謗中傷、プライバシー侵害とは
ネットで行われる誹謗中傷・プライバシー侵害
インターネット上の掲示板、ブログやSNS上では、誰もが自由に全世界に向けて情報発信できるという気軽さの反面、発信された情報が直ちに拡散してしまうことで様々な権利侵害が生じる危険があります。
その代表的なものが名誉毀損に代表される誹謗中傷、プライバシー侵害です。
ネット上での誹謗中傷、プライバシー侵害
名誉毀損とは
名誉毀損とは、事実を指摘されることにより、他人の社会的な評価(名誉権)が低下させられる被害のことです。例えば、インターネット掲示板等に誹謗中傷の書き込みがなされる被害等があります。
プライバシー侵害とは
プライバシー侵害とは、本人にとって公開されたくない情報が無断で公開されてしまう被害のことです。
例えば、インターネット掲示板・SNSに実名を含む個人情報が公開されてしまう被害等があります。
また、最近は、無許可で自分の写真をインターネット上に公開されたり、SNS等で拡散される被害(リベンジポルノ等)も大きな問題となっています。
なりすまし被害とは
メールアドレスやSNSアカウントで他人を装って架空の請求をしたり誹謗中傷を行う被害があります。
他人のメールアドレスやアカウントのID・パスワードを無断で悪用してなりすましをする等、態様によっては 「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」違反となりうるものもあります。
「忘れられる権利」とは
自分の個人情報(例えば、子どものときに提供・発信した情報)、過去に逮捕された事実・前科等が検索結果に表示されたり、インターネット上に公開されたりする場合があります。
このような自分の過去に関するインターネット上の情報について、「忘れられる権利」、具体的には、インターネット上に残る過去のプライバシー情報の削除を要請できる権利が近時議論となっています。
ネットいじめとは
情報伝達手段が多様化する中、インターネット・SNS上でいじめの被害に遭うという事案も発生しています。
これらの手段でいじめがなされることで問題を複雑化させる事態も生じています。
ネット上での誹謗中傷、プライバシー侵害被害への対策
誹謗中傷(名誉毀損)・プライバシー被害に遭った場合は、被害救済のために、以下のような手段を事案に応じて講じていくことになります。
① ネット上に掲載された情報の削除
② 情報を発信した者に対する損害賠償請求
③ 情報を発信した者に対する刑事告訴
情報の削除
他人を誹謗中傷する、あるいは、プライバシーを侵害する情報が残っていると、その情報が更に拡散し、被害が拡大するおそれがあるため、これらが掲載されているサイト管理者等に対して、情報の削除を求めます。
削除を求める情報には、誹謗中傷する書き込み、プライバシー情報、逮捕・前科事実等の個人情報が考えられますが、実際に削除が可能かは個別事案に応じた検討が必要となります。
投稿者への損害賠償請求
誹謗中傷(名誉毀損)やプライバシー侵害の被害に遭った場合、投稿者(発信者)に対して、損害賠償を請求します。
投稿者(発信者)が誰か分かっている(特定されている)のであれば、その者に対して、損害賠償のほか、それ以上の誹謗中傷・プライバシー侵害を止めるように求めていくことも考えられます。
投稿者(発信者)の探知・特定
インターネットの掲示板やSNSへの投稿では、匿名による投稿がなされることも多いため、まずは投稿者(発信者)についての情報を有するサイト管理者、プロバイダに対して、投稿者(発信者)に関する情報の開示請求(発信者情報開示請求)をして、投稿者(発信者)を探知し、特定する必要があります。
損害賠償請求
インターネットの掲示板やSNSへの投稿では、匿名による投稿がなされることも多いため、まずは投稿者(発信者)についての情報を有するサイト管理者、プロバイダに対して、投稿者(発信者)に関する情報の開示請求(発信者情報開示請求)をして、投稿者(発信者)を探知し、特定する必要があります。
具体的な方法・手段
投稿記事の削除や、投稿者(発信者)に関する情報の開示を受けるための手段は大きく分けて以下の3つがあり、これらを事案に応じて講じていくことになります。
ウェブフォームなどからの請求
問い合わせ用・削除要請用のフォームが設置されている又は専用メールアドレスが明示されている場合、これらのフォーム等を利用して、削除や投稿者(加害者)についての情報の開示を依頼します。
ガイドラインに則った請求
プロバイダ責任制限法(通称)のガイドラインに則って、削除や投稿者(加害者)についての情報の開示を請求する方法があります。
裁判(仮処分)
上記の手段によっても十分対応してもらえない場合もあり、ウェブサイトの管理者、プロバイダ等に対し、裁判上の手続を講じる必要があります。
刑事告訴
掲示板等に記載された投稿内容が名誉毀損罪に該当する場合には、刑事告訴をする手段もあります。
解決への方策
お気軽に弁護士に相談を!
インターネット上の誹謗中傷(名誉毀損)・プライバシー侵害の被害に遭われた場合は、上記のような対応が可能ですが、どの方法を採ることが最善なのか、またそれぞれの方法のメリット・デメリットは、個々のケースによって異なり、裁判手続が必要となる場合もあります。
また、投稿者(発信者)の情報は時間の経過とともに消えてしまう場合もあるので、迅速な対応が必要となります。
個々のケースに対する具体的なアドバイスについては、お気軽に弁護士にお問い合わせください。