【裁判例】LINEによる退職の意思表示の有無が問題となった事例

LINEによる退職の意思表示の有無について、詳細に検討の上、その存在を否定した事例です(東京地判H29.12.22判時2380号100頁)。

本判決は、「ラインでの会話は、内容そのものは記録され明確であるが、簡略化した短文のみで会話されることが多く、打ち間違いによる誤字・脱字も発生しやすいから、やはりその意味や趣旨が曖昧になりがちである。また、口頭や電話での会話の延長として利用されることが多く、社会生活上重要な意思表示や意思確認の手段に用いられることは少ないから、ラインの会話をもって、退職の意思を確定的に表明する意思表示があったと認めることには慎重を期する必要があると考えられる」としました。
 
その上で、本件具体的事情(ラインの会話のみならず、その前後の具体的経過・発言等を含む)を詳細に検討し、結論として、退職の意思表示の存在を否定する判断を下しました。
 
労働者からの退職の意思表示は、一般に、労働者としての地位を終局的に失わせるものですから、慎重に判断される傾向にあります。
本件は、現代社会特有の事案とも思われますが、ラインの特徴を的確に踏まえた判断として、参考になると思われます。



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