【プライバシー侵害】リベンジポルノに関するわいせつ物陳列罪の成立時期が問題となった事例

いわゆるリベンジポルノ被害事案において、公然陳列罪(刑法175条1項前段等)の成立時期について判示した裁判例です(大阪高判H29.6.30判タ1447号114頁)。

本判決は、ストレージサービスの仕組みやその公開機能の仕組み等に照らし、「甲ユーザーが、甲ボックスに保存したデータをマイボックス内で公開設定した時点では、そのユーザーに公開URLが発行されるにすぎないから、公開設定されたデータを第三者が閲覧し得る状態にするには、公開設定に加え、公開URLを添付した電子メールを送信するなどしてこれを外部に明らかにするという甲ユーザーによる別の行為が必要となる」としました。
 
そして、「甲ユーザーが、公開URLを電子メールに添えて不特定多数の者に一斉送信したり、SNS上や自己が管理するホームページ上でこれを明らかにしたりすれば、その公開URLにアクセスした者が公開されたデータを閲覧することは容易な状態となるから、当該データの内容がわいせつな画像等に当たる場合には、これを『公然と陳列した』ものとして、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪等が成立する」と判示しました。
 
その上で、本件事案の関係では、オンライン上のストレージサービス内に、元交際相手の裸体等を写した画像・動画データを保存し、公開設定をしてその公開用URLの発行を受けただけでは、いまだ各データの内容を不特定又は多数の者が認識しうる状態に置いたとみることはできないとし、結論として、刑法175条1項前段等の公然陳列罪は成立しないと判断しました。
 
オンライン・ストレージサービスの内容や仕組み等によっても異なりうるかとは思いますが、本件事案における具体的仕組み等に照らした判断を行ったものであり、参考になるものと思われます。



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