サクラサイト裁判事例

【裁判例】サクラサイト業者の取締役の責任が肯定された事例


いわゆるサクラサイト被害に遭った原告が、サクラサイト業者の(代表)取締役らに対して損害賠償を請求した事案です(東京地判H26.11.10)。
 
前提として、裁判所は、「原告が本件各サイトにおいてメール交換した本件各相手方等は,実在する一般の会員ではなく、架空の人物、すなわち、サクラであり、そうした架空の人物は、訴外会社の利益を図るために会員とのメール交換等を担当する者によって演じられているのであって、そうした者から原告宛にメールが送信されていた」とし、本件は訴外会社が組織的に行った詐欺行為であって、違法であると判断しました。
 
その上で、裁判所は、被告らの責任について、以下の事情から、被告らが、サクラサイト業者が本件各サイトを利用者への詐欺の道具として用いていることを認識し、業者による詐欺行為を共謀のうえ共同で行っていたと認定しました。
 
① 本件各サイト運営の態様からすれば、サクラサイト業者は、本件各サイトを利用しての詐欺行為を行うために、メールの送受信や閲覧管理及び支払決裁の管理に必要な人的・金銭的コストをかけていることが窺われ、実際にもサクラサイト業者は、平成22年にはメールオペレーターを募集していたこと
② 被告らはサクラサイト業者の取締役であり、その他に役員はいないこと
③ サクラサイト業者は、本件各サイトの運営以外の事業を行っている形跡は認められないこと
④ 被告らは、本件訴訟の遂行を弁護士に委任して防御を行っており、被告らがサクラサイト業者による詐欺行為に関与していないのであれば容易に反論することができるのにもかかわらず実質的な反論をしていないこと
⑤ 被告らは適式な呼出しを受けたにもかかわらず、尋問の機会に出頭せず、代表取締役ないし取締役としてのサクラサイト業者の業務への具体的な関与態様を明らかにしないこと
 
サクラサイト業者の法的責任を肯定した裁判例としては、東京高判H25.6.19判時2206号83頁等がありますが、本件は、サクラサイト業者の取締役の法的責任を肯定した事案であり、実務上参考になると思われます。


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