ネット上での名誉棄損、プライバシー侵害裁判事例

【裁判例】学校裏サイトにおける匿名の書き込みが問題となった事例


 特定の中学校の生徒が匿名で書き込みをする掲示板(学校裏サイト)において、同校の学生であった原告を中傷する書き込みがなされた事案です(大阪地判H20.5.23裁判所HP)。
 
 本件事案では、掲示板管理者に対して削除依頼がなされたにもかかわらず削除がなされなかったことにつき、原告が掲示板管理者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求しました。
 
 裁判所は、本件掲示板の性質・匿名性からすれば、掲示板内において、当該学校の生徒同士が、他の生徒の実名を挙げて誹謗中傷を行う等のトラブルが起こりうることは容易に想定できるとしたうえで、「そのようなトラブルが生じた場合、掲示板の閲覧者も当該学校の関係者が多いと考えられるから、実名等を公表された人物の被害が、インターネット上にとどまらず、現実の学校生活にも及ぶこともまた容易に予想することができるというべきである」としました。
 これらを根拠に、「本件掲示板を設置し、これを管理運営していた被告としては、前記のような被害の発生を防止するよう慎重に管理し、トラブルが発生した場合には、被害が拡大しないよう迅速に対処する管理義務を負っていた」とし、掲示板管理者における管理義務を認めました。
 
 結論として、裁判所は、掲示板管理者である被告の上記義務違反を認め、原告の請求を認容しました。
 
 学校裏サイトにおいて誹謗中傷書き込みがなされた場合、そのような書き込みをした者の法的責任が問題となりますが、本裁判例は、掲示板管理者についても法的責任を肯定しました。
 いわゆるネットワークにおける媒介者責任とも関係する判断であり、実務上参考になるものと思われます。


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